鳥さんが来たらしい。
深夜になって、今年はめっきりなかったのだが珍しいことに、らくが「おくじょうー」と言うので、一緒に真夜中の屋上へ。
らくはスノコに寝そべって、風のニオイをクンクンしている。
動きまわることもなく、特に何をするでもなく、スフィンクスのように寝そべっているだけ。
カイヌシも隣で、ときどきラクシュミーを撫でながら、ボケーッとただ座っていた。
暗いし、やることないもんな。
風が涼しいとはいえないけど、やっぱり夜風は気持ちがイイし。
しばらくたって、ラクシュミーがゆっくり立ち上がりスタスタと部屋に戻っていったので、カイヌシもあとを追う。
部屋で時計を確認したら、30分くらい経っていた。
らくと一緒に、夜中の屋上でぼーっとするたびに思うのだけど、空を見るくらいしかやることがない時間ってたまにはいいよね。
旅行をしていた頃、電気のない小さい島に行くと、そんなんばっかだったけど。
日本の日常生活の中では、次から次へとやらなきゃならんことが湧いてきて、そういう時間を自分からはなかなか作れない。
だからラクシュミーと一緒に過ごす、やることのない夜中の屋上は、懐かしくて心の緊張がほどけるような気持ちがする。
らくや。
ありがとね。
またときどき、一緒にぼーっとしよう。
(でも毎日は付き合えないので、明日も行くなら一人で行ってな)