今朝になって大家さんから電話があって、
「防音工事、本当にそんなに必要なの?」
と言ってきたそうだ。
管理会社が音漏れについて大げさに言っているのではないか、入居者から直接話しを聞きたいと言っているので、大家さんに電話して説明してほしいとのこと。
で、電話した。
大家さんからの話としては、
「見積もりが出てきたら、丸ごと新しくするの?っていうほどの金額になっていた。
10年以上そこの大家をやっているが(長屋は途中で所有者が変わったらしい)、あなたの部屋とお隣とで音のトラブルは今までなかったのに、なぜ急にそんな大きな問題になっているのか。
管理会社が言うように、本当に天井と戸境壁一面の防音工事は必要なのか?」
というものだった。
もっともなご意見だ。
ワタシが大家でも、同じことを思うだろう。
築年数不明(近所の人の話だと、どうやら築20数年くらいらしい)の長屋に、そんなに高額なお金をかけて防音工事しても元が取れるのか?
道楽で大家をやっているのでなければ、切実な問題だろう。
もし仮に丸聞こえだとしても、最初から『音が筒抜け物件』と説明して、家賃を下げて入居者を募集したほうがマシかもしれない。
しかし今現在、ここの長屋はぜんぜん高級物件ではないけれど、そこそこの家賃設定になっている。
「そんなに聞える」のか「そんなに聞えない」のかは住人次第だが、イビキくらいはもうちょっと聞えにくくても良いのではないか。
ということを0.3秒で考えて、大屋さんに現状を説明した。
大屋さんの反応は
「そりゃ人害だ」
であった。
深夜、隣に聞えるほどの声で笑うのは、近所迷惑である。
夜中に起きているのは自由だが、笑いたければ布団にもぐるなりして、音が漏れないように自分で工夫をして笑えばよい。
とのこと。
それももっともなのだが、ワタシは、原因は人と建物、両方だと思う。
天井裏がガラガラで隣と繋がっていたら、声は聞えやすいと思う。
それではやはり暮らしにくいので、そこはなんとかしてほしい、
ワタシがそう言うと、大屋さん、
「それはやりましょう」という話。
天井裏の防音は、グラスウールを入れることになっている。
ワタシははっきり言って、それだけでは、そんなに防音(吸音)効果はないと思う。
それでもカオナシが、「近隣に迷惑がかからないようにしよう」とか「笑い声を聞かれるのはバツが悪い」とか、そういう感覚を持って暮らしてくれれば、それでも少しは違うと思う。
それにね、カオナシも気を遣っているのだろうなと思われる気配があれば、少しくらい聞えたって、そんなに腹は立たない。
遠慮なく深夜にドカドカ暴れたり、思い切りギャハハハハ~とバカ笑いしたり、何時間もウフフフフ~と笑い続けるからワタシもくりくりもブチ切れるのです。
音そのものではなく、無神経さに腹が立つのだよ。
以前の隣人の時には、気になるような声や音が聞えたことは一回もない。
カオナシが配慮してくれれば防音は天井裏のグラスウールだけでオッケだろうし、好きなように騒ぎたいのなら、管理会社が提案している壁一面の工事までやっても無駄だろう。
カオナシ、オマエ次第なんだよ!
ということで、大屋さんとプチ意気投合してしまった・・・。
イカンじゃないか。
管理会社の人は・・・って、いちいちこう書くのがメンドクサイので、以下、熱心さんとする。
熱心さんはいつも話をよく聞いてくれるし、しっかりと対応してくれる、仕事熱心な人である。
今日ワタシが
「今までもすでに同じことを何回も繰り返しているのだから、今後も繰り返すような気がする。
もう何を言っても無駄なんじゃないか。」
というようなことを言ったら、熱心さんは
「いや、諦めたらそこで終わってしまいます。
分かってもらえるまで、何回でも話をします。
今まで僕は、何回も何回も話をして解決して来ました。」
と言う。
なんつうか・・・。
青春ドラマの教師みたい人だな。と思った。
なかなかステキだ。
熱心さんの熱心さに負けて大人しくなった人もいるだろうし、メンドウになって退去した人もいるだろう。
うちも、もうメンドクサーな気持ちになってて引越しも考えているが、とりあえず防音工事が終了してしばらくは様子を見ようと思う。
らくが屋上で楽しそうにしているので、本当は引っ越したくないのだが、カオナシがどうしても深夜に笑ったりガタゴトしたいなら仕方がない。
しかし引越し先が静かとは限らないんだよなあ。
何があるか住んでみなくちゃ分からないし、ここのように隣人が変わったらうるさくなってしまうこともある。
マンションでも一軒家でも長屋でも、近隣の住人次第で、住みやすくも住みにくくもなる。
熱心さんはうちに迷惑がかからないように尽力してくれているが、それはカオナシに窮屈な生活を強いることになっているという。
熱心さんは熱心+人情家でもあるらしく、カオナシにも窮屈ではなく暮らさせてやりたいと言う。
で、天井裏と壁一面とアレとコレと・・・と防音工事を提案して、見積もり額を見た大家さんがひっくり返った。
大屋さんは現状を正確に把握していないので、私からどれほど困っているかを説明してほしいということだったのだ。
こちらは確かに、限界を超えてブチ切れたほど困っているし、熱心さんが提案している工事をやってもらったら、そりゃワタシだって嬉しいが、大屋さんにそこまでの金額を出させるのも申し訳ない気持ちになる。
カオナシが深夜は静かにしてくれればオッケのことだしなあ。
そのあたりで大屋さんと、うっかりプチ意気投合してしまったのだ。
ほんとは「このままでは普通に暮せません!ぎゃー!」と涙ながらに訴えなくてはならなかったのだが。
熱心さんの言う、カオナシにとっての窮屈ではない暮らしって、どんなんなの?
それによって防音工事の内容は変わってくると思うのだが。
工事はうちではなく、カオナシの都合では?
それにそもそも、造りや環境によって程度の違いはあっても、集合住宅での暮らしって多かれ少なかれ窮屈なものではないの?
と、いろんなことを考えたりした。
カオナシのせいでどんだけ時間を使っているんだワシ。
あーメンドクサー。
それは何より。
助かります。
もしらくが気にしているようだったら、ワタクシ今ごろは目を吊り上げながら、不動産屋めぐりしていただろう。
カオナシー。
頼むよホント。