朝起きてびっくりした。
こんな景色だったのね。
いっちゃん、すごいね。
いい眺めだね。
鳥さんもきっとたくさん来るよ。
ラクシュミーにも見せてやりたいね。
頭の上のいっちゃんにそう話しかけていたら、この窓辺にいっちゃんとラクシュミーが2匹で並び、いっしょけんめ外を見ている後ろ姿が、リアルに頭に浮かんだ。
2つの、茶色くて丸くて、カワイイ背中。
いっちゃんは、いっちゃんが見たいと思えば、いつだって好きなときにこういう景色を見られるんだね。
楽しいことばかりの世界の特権だね。
ラクシュミーとワタシは、まだ当分は重力の世界だからな~。
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今日は山で撮影して、帰りは電車で帰ってきた。
ロケ車でダラダラしながら帰ってもいいし、早いほうがいいなら電車でという話しだったので、迷わず電車を選ぶ。
らくや。
ただいまーっ!
会いたかったよー。
昨夜は大丈夫だった?
カイヌシが一人足りなくて、寂しくて眠れないなんてことはなかった?
再開を喜び合おうとするワタシを玄関先で見て、らくさん、びっくりした顔で後ずさりをし、くりくりの横にひっ付いた。
それから急に何かを思い出したように、もっとびっくりした顔をしながらこちらに来て、ごっつーんと頭突きをしてくれたのだった。
そのときはちょっと嬉しそうに見えたのだけど、最初の後ずさりはいったい・・・?
まさかとは思うけど。
ほんのちょっとの間だけ、ワタシのことを忘れていたような・・・。
たった一晩、留守にしただけで?
昨夜寂しかったのは、どうやらワタシだけだったらしい。