おしっこが臭いのは腎臓が元気に働いている証拠なので嬉しいのだが、部屋が臭いのはちっとも嬉しくない。
こんな生活、もうイヤだ。
ってことで、部屋中の床から壁にかけて消臭&除菌スプレーをバカスカ振り撒いて、窓ガラスも拭きまくって、窓のサッシ部分もアルコール除菌スプレー+綿棒を使って細かいとこまで拭きまくり、出窓に敷いてあったカーペットを処分した。
カーペットはスプレーされると掃除がしにくいので、滑り止めの上にペットシーツを敷く。
部屋の床のあちこちも、ペットシーツだらけにしてやった。
くりくりが「うっとうしい」なんて文句を言っているが、他に方法がない。
ペットシーツくらい、気にするな。
気にしたら負けだ。
ソファ裏の出窓には、ワタシが気がついていないときにも随分とスプレーをしていたらしく、サッシの溝を掃除していたときには本気で臭かった。
アンモニアが目に沁みて、、脳裏にはインドの裏通りの光景が浮かぶ。
こんなニオイ、よく嗅いだなあ。
今はどうだか分からないが、10年位前までのインドでは、道で用を足している人は日常の光景のひとつだった。
トイレがない家がけっこうあって、つか道端で暮している人たちがたくさんいて、ニッポンのように誰でも無料で使える公衆トイレもないから、道端の住人も、露天のヒトとかリキシャーのおっちゃんとか、あるいはただの通行人とかも、とにかくありとあらゆる人たちが、『どっかその辺』で用を足している。
田舎ならそこらの草むらでオッケだけど、都会には手ごろな空き地なんてほとんどない。
で、『どっかその辺』=『道端』になるのだろうが、交通量の激しい場所ではしにくい&危ないらしく、大通りからはずれた裏通りで用を足すヒトが多い。
道端が生活の場なのはニンゲンだけではなく、野良なんだか放牧中なんだか分からないが、牛とか豚とか鶏とか猿とかも普通にウロウロしてて、もちろん皆さん、小も大も道端トイレ。
そんな事情で、田舎なら道も土だから素早く分解されてしまうのか、虫たちがどっかに運んでしまうのか、そこいら中に排泄物が転がっていて臭いということはないけれど、都会では悲惨なことになっている裏通りも少なくない。
でもって下水の設備が悪いので、雨が降ると道はすぐに川のようになると聞いているが、おそらくそれは本当だと思う。
つまりは道全体がトイレの下水が溢れたのと同じ状態になるわけで。
雨季には絶対に来たくない。
そう思いながら歩いたインドの裏通りが、ニッポンの、トーキョーセタガヤの、ぎゃおす長屋に出現しているというこの事実・・・。
らくや。
たしかにアナタの名前は、インドの女神様からいただきました。
カイヌシもインドが好きで、随分と通いました。
でも、アンモニアが目に沁みる裏通りも、旅先だからまあいいのです。
そこに住むのはイヤだーっ!!
ってことで、目をシバシバさせながら、出窓のサッシの隙間をくまなくしつこくほじくり返し、消毒&消臭。
ソファにおしっこスプレーはしていないようだけど、なんとなく臭いが移っているようなので、カバーを外して洗う。
床に敷いてあるマット類も、全てガンガン洗う。
これだけやっても完全には無臭にはならず、ほのかに臭う(ような気がする)のだが、とりあえず今はこれ以上はどうにもならない。
やだなあ。
去年の今ごろはもう、スプレーは収まっていたように思うけど。
らくや。
外の猫さん達だって、恋の季節は終了してるよ。
らくもそろそろ、落ち着いてくれんかね。
・・・まさかとは思うけど、年中無休でガンバルつもりじゃないよね。
ね?
カイヌシが涙目になりながら掃除している間、ラクシュミーさんは
空っぽのお茶碗を見つめていた。
さっき朝ご飯食べたでしょー!
掃除がひと段落したら、さっそくチェック。
その後、猫ベッドに納まったものの、不満げな顔
出窓の下も上も、どこかの猫が走っていくから、らくの事情も分かるけど。
おしっこスプレーで結界を張らなくても、外の猫さん達が部屋の中に入ってくることはないんだよ。
ガンバらなくても大丈夫なんだよお。