「まど、あけて~」という催促です。
半分寝ながら、開けてやる。
らくさん、ちょっと外を見て、すぐにどこかへ行ってしまったので、半分寝ながら今度は窓を閉める。
しばらくのち、寝ているワタシの枕元で、またイエヤマネコが「みょ~んみょ~ん」。
半分寝ながら窓を開けて、閉める。
で、寝ていると、また「みょ~んみょ~ん」。
半分寝ながら窓を開けて、閉める。
そして4たび、枕元で「みょ~んみょ~ん」。
・・・・・
らくさんや。
オレさまや。
ええかげんにせーっ!!
寝かせてくださいよう~。
もうヤになったので無視していたが、みょんみょん、みょんみょん、しつっこく鳴くので寝られない。
ワタシの頭が窓の下にあるからいかんのだろうと、ベッドの上で180度回転して、頭と足の位置を入れ替えた。
これでイエヤマネコも諦めるだろうと思ったら。
らくさん、キレた。
ドッカンドッスン、踏まれるしうるさいしで目を開けると、暗い部屋の中を跳躍するブッタイが。
・・・らく?
様子を伺っていると、らくさん、ドドドドドーっ!と部屋の中を駆け回り、ベッドに飛び乗りカイヌシを踏みつけながら机に移動し、ノートPCを踏み台にしてデスクトップPCに飛び乗り、そこからワタシの身長くらいの高さの棚に跳躍し、ドッス~ンと床に飛び降り、またドドドドドーと駆け回って・・・と繰り返している。
あああああ、うるさいなあ~。
諦めて起きて、鼻息フンフンさせながら棚の上からワタシを見下ろしているイエヤマネコを引っつかみ、力ずくで抱き下ろし、部屋の外に放り出して、引き戸をピシャンと閉めた。
うちはいつも家中のドアを開けっ放しだし、らくを部屋から閉め出したのは始めてだけど、今日は仕方がない。
仕事のためにカイヌシ、少しは眠っておく必要がある。
やっと静かになった部屋で眠り、朝起きたら。
ヒトベッドの足元の猫ベッドで、何事もなかったように寝ているイエヤマネコの姿が。
・・・え?
部屋の引き戸を見ると、イエヤマネコの幅だけ開いている。
自力で開けて、入ってきたらしい。
らくや。
アナタ、戸を開けられるのーっ!!???
今まで一度だって、開けたことないのに。
つか開ける必要もなかったのだろうけど、カーテンの裏側にさえ行けないのに、引き戸を開けたの?
カイヌシ、本気で驚いたよ。
らくは戸に体当たりして破壊はしても、開けることはできないと思っていた。
しかもワタシの目が覚めなかったのだから、大騒ぎをして開けたのではないはず。
けっこう静かに作業をしたらしい。
らくはバカではなく、バカのふりをしているだけで、ほんとはすっごく知能が高いのかもしれない。
・・・ってことはないな。
そんなにおバカでもないのだけど、性格が単純だから、バカっぽく見えるだけなのかも。