予想外がいっぱい

お金がない。
カイヌシ、何か換金できるものはないかと3秒考え、使っていないYAMAHAのDTM機材とMIDI音源、SONYのPDAを売り飛ばすことにした。
ソフマップの中古買取のページで調べてみると、全部合わせて上限が約3万円。
傷だの汚れだのでマイナスがついても、2万円以上にはなりそうだ。
ウヒヒヒヒ。さっそく売りに行きましょう。


以前にも何回か行ったことのある新宿ソフマップに持ち込むと、今、そこはゲームソフトの買取だけになったという。
周辺機器などは、ああ行ってこう行ったビルの地下の買い取りセンターまでお願いしますと言われたので、重い機器類を抱えて、ああ行ってこう行って、無事に目的のビルを発見。
狭いビルの入り口を通り、管理人室を横目に細い通路をクネクネと進み、殺風景なコンクリートの階段を降りて、「発禁本をこっそり買いに行くのはこういう気分かしら」などと思いつつ、ソフマップ中古品買い取りセンターに到着。


アイソのない薄暗い廊下から室内に入ると、いきなり、のっぺりと白かった。
蛍光灯にすみずみまで照らされた小部屋(店内)は、店舗の雰囲気はまったくなく、病院の受付そっくり。
飲み物の自動販売機があって、カウンターの前には3~4個のベンチが並べられていて、そこには背中を丸めて座っている先客が3人。
漫画に出てくる一昔前のオタクそのまんまの外見、服装。
今どきはオタクも多様化していて、派手なオタクとかオサレなオタクとかいると思うのだが、小部屋の3人は宅八郎さんの系統といいますか、伝統的・正統的なオタクさんたちのよう。
ワタクシも彼らに混じって、銀行の順番待ちカードのような紙を取り、背中を丸めてベンチに座って待つ。


20分ほどで順番が来て、売り物を入れたヨドバシカメラの紙袋をドカっとカウンターの上に置きつつ「DTMの機材とMIDI音源とPDAです。」と言うと、
「あ~・・・DTMにMIDI・・・。うちでは査定できません。扱っているのは秋葉原店だけです。」
と言われてしまい、えええええーっと大げさに驚きつつ打開策をひねり出そうとしたが、そんなもの、あるわけがない。
こんな重い荷物を持ってこれ以上歩きたくないが、秋葉原まで行くしかないってことだろう。
待ってろよ、アキバ。オタクを舐めんなよ~。


新宿では片手でつまめるようなPDAだけ売却。
ネットで見たときには査定額の上限は四千円台だったように思ったが、店では三千八百円とかなんとか言われて、更に傷があるので少し値段を引かれて、三千三百円の売り上げなり。


ちっとも軽くなっていない荷物を持って駅まで戻り、電車に乗ってアキバのソフマップへ。
こちらの買取場所は、ごく普通のショップの中にあるのだが、狭い階段を5階まで昇らなくてはならない。
たどりつくとそこは、ごく普通のDTM機材の売り場の一角で、先客は黒人のにーちゃんが一人。
すぐにワタクシの番になって、ヨドバシカメラの紙袋ごと預ける。
現金を手にしたら何か食べて帰ろうと思っていたのに、査定に2時間半かかるという。


秋葉原で2時間半・・・。
待ってられるか~。
仕方がないので、振込みにしてもらう。


ソフマップを出て、荷物がなくなって身軽になったがお財布も軽いまま、ヨロヨロと駅前のエクセルシオールカフェに入る。
何か軽く食べたかったのもあるが、なによりも、ゆっくりと座ってコーヒーを飲みながら、外道行為(喫煙)がしたかった。
でっかいアイスコーヒーと温かいパニーニ、合わせて750円なりを支払って、
「喫煙席はどこですか?」
と聞くと、
「喫煙席はありません。」
という、信じられない言葉が返ってきた。
「外の席も?」と重ねて聞くと
「外も禁煙です。」
と、あっさり返される。


外道行為ができないのでは、こんな店に用はない。
カウンターの上に置かれた、でっかいアイスコーヒーとパニーニが乗ったトレーの前で、
「じゃあオーダーやめるからカネ返せ!」と騒ごうか、
いきなりトレーをひっくり返してアバレようか、たっぷり10秒間は悩んだ。
悩んだあげく、結局はどちらもやらずに、おとなしくトレーを持って空いていた席につく。
ワタクシが小心者だというのが最大の理由だけれど、騒いでもアバレても、絶対に750円は返してくれないだろうし、煙草も吸えない。
警察なんか呼ばれたら、さらに面倒だ。
つまり、良い事は一個もないってことで。


ってことで、大人しく席に着いたワタクシ、でっかいアイスコーヒーを一気に飲み干し、紙袋をもらってパニーニを入れて、素早く店を出た。
滞在時間は、5分もなかったと思う。
店の前には小さい店内案内のようなものが立っていて、ファストフードとかカフェの入り口によくあるものだけれど、たいていは
『1階・・・禁煙 10席  喫煙 5席   2階・・・全席禁煙 30席   3階・・・全席喫煙 30席』などと書かれている。
出るときに、エクセルシオールカフェの案内を見たら、
『1階・・・禁煙席  2階・・・禁煙席』と、書いてあった。


しっかり確認してから入らなかったワタクシが悪い。
でも全面的に禁煙なら、まん前に立たなければ読めないくらいのちっこい文字で、『1階・・・2階・・・』などとちまちま記さずに、でっかく4文字だけ書いておけ。
『全席禁煙』と。
こういう案内板があれば、喫煙席と禁煙席があると思ってしまうオタクはワタクシだけではないはずだ。


で、店を出て駅のホームに直行し、地の果てかってくらいホームの端っこの喫煙エリアで外道行為を果たし、自販機で飲み物を買い、ホームのベンチに座って、パニーニを食べたのであった。
食べながら黄色い電車を2回ほど見送ったのだが、眺めているうちに、「高円寺に行こう」と思いついてしまった。


一昨日、高円寺の駅近くの花屋に『ネコノヒゲ』という植物の鉢植えがあって買いたかったのだけれど、労働中だったし、雨の中仕事道具と一緒に鉢を持ち帰ることは困難と思われたので断念。
しかし秋葉原から高円寺は、電車で1本。
これはネコノヒゲを買いなさいという、ネコノヒゲ神様からの指令かもしれない。
イザ高円寺に!
ということで、鼻息も荒く黄色い電車に乗り込んで、コトンコトンと揺られて、高円寺に到着。
花屋に着いたが、店先にネコノヒゲはない。
店員さんに聞くと、「ついさっき売れました」と。


あはは。
あははははっ。
そんな気はしたんだけど、やっぱりねえ。
それにしても、ついさっきって。ねえ。


脱力して帰宅したが、
『逃したものほど欲しくなる』の原則に則って、ネコノヒゲが気になってしかたがない。
結局、帰宅してから自転車でちょっと遠出をして走り回り、ネコノヒゲを捜し当てて購入成功。
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買ったときには蕾だけだった。これは翌日の写真。

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ヒゲの先は、ほんのり薄紫



ウハハハハ。
欲望は勝つ。
けど、よく考えたら今日の目的は『現金を手に入れる』だったはずなのに、それが『外道行為を行う』になり、『ネコノヒゲを手に入れる』になり、自転車で走り回るという思わぬ展開になった。
人生、先のことは分からないものだけど、1時間後のことすら分からない。


バタバタの1日が終わりさて休もうとしたら、最近はいつも1階で寝ているイエヤマネコが、ヒトベッドのど真ん中に。
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なんで今日にかぎって?
カイヌシは、端っこで、できるだけ小さく横になりました。
これも予想外だったけど、かなり嬉しい(寝にくいけどなー)。


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予想外の体型

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予想外の体重

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ヘタなよそうは、しないほうがいいみょん


— posted by hipi at 11:49 pm  

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