朝の見回り中の農園主。
このあと突然、ものすごいスピードで、ワタシの横を走り抜けていった農園主。
「バタバタバタッ」という羽音と共に、部屋の中に飛び込んだ。
バタバタバタッって・・・
いやあああー!
また瀕死のセミさん?
イエヤマネコのあとを追ってワタシも室内へ。
階段の途中でお座りしている、イエヤマネコの後姿を発見。
らくはじっと床を見ていて、相変わらず、バタバタいう羽音が聞えている。
カイヌシが近づいていくと、らくは後を振り向いてワタシを見て、それからハッシとまたセミを咥えて、ダダダダダーと1階まで駆け下りていった。
は、早いなイエヤマネコ。
ワタシはセミを触れないので、寝ていたくりくりを叩き起こして(いつものパターン)、一緒に1階へ。
らくは階段のすぐ下で、じっと床を見ていた。
その視線の先には、トンボさん。
あれ?セミじゃなくてトンボだった。
ああ良かった・・・
って、ぜんぜんイクナイ!
イエヤマネコがちゃいちゃいと手を出してるよ~。
くりくり急げー!
で、半分眠ったままのくりくりは、片手でイエヤマネコを抱っこして片手でトンボを捕まえた。
らくは怒って暴れてすぐに逃げたけれど、トンボは無事だったようで、窓から放すとちゃんと空に飛んでいった。
ああ良かった、もう捕まらないでねー。
やれやれと部屋の中を振り返ると、ちっとも良くない顔のイエヤマネコ。
ジロリとカイヌシどもをにらみつけると、「うみょおおおおおーん!!」と叫びながら、屋上までドカドカドカッと駆け上がっていった。
ニンゲンでも、面白くないことがあると足音をわざと大きくドカドカさせて歩く人がいるが、それとまったく同じ行動。
ってことは、イエヤマネコの知能はニンゲン並みなのかも。
それとも、機嫌が悪いときにドカドカ歩くニンゲンの知能がイエヤマネコ並みなのか。
なんてことを考えつつ屋上に様子を見に行くと、さっきトンボさんを捕まえた場所を、しつこく嗅ぎまわっているイエヤマネコ。
しかしもうそこには、トンボもセミもカメムシもカナブンもいない。
水を飲んで気を静める農園主。
怒っていたことを忘れたらしい農園主。
えっとー
ごめんよ。らくの獲物だったのにね。
でもなあ、トンボをらくのおもちゃにさせておくのはなあ・・・。
カイヌシー、バカー