ギャーとかシャーとかいう叫び声を交えながら、ドカドカドドドという足音が、1階の出窓の上を行ったり来たりしている。
うちの出窓の上で、どなたかが派手に暴れているらしい。
ニンゲンにとってもうるさいが、なにしろラクシュミーが落ち着かないので、様子を見に外に出た。
ぎゃおす長屋の西側は3軒分の出窓が横に並んでいるのだが、うちの窓の上だけじゃなく、3軒の出窓をフル活用して端から端まで走りながら、2匹のネコが揉めている。
お引取り願いたいが、なにしろ窓の上なので(ほぼ1階の屋根の高さ)、手が届かない。
どうしようかなあと思いつつ近寄っていったら、それだけでパっと地面に飛んで、どこかへ逃げていったネコたち。
そのときに見えたのだが、追いかけられていたのは、またまた三毛ちゃんだった。
ああもう、あのコはどうしてこうもしょっちゅう、いじめられているんだろう。
でもそのわりには、ブニと違って、怪我をしているところを見たこともないし、うまく逃げているのだとは思うけど。
三毛ちゃんを見ているとヤキモキするが、本猫が
「アタシ、ぜったいにニンゲンのことは、しんようしないの!」として生きている以上、どうにもできない。
はい、たしかに。
やたらニンゲンを信用するのは危ないもんね。
ニンゲンがこんな生き物でごめん。
あーあ。